デザイン・アート

こんにちは。名言を言わないスナフキンです。

 

先日、中之島美術館で「デザインに恋したアート・アートに嫉妬したデザイン」という変わった展覧会があったので行って来ました。

ぱっと見ただけでは意味を取ることが難しく、混乱してしまうような題名ですが、中に入って作品を見ていく中で徐々に企画者の意図が分かってきます。そして、この素敵な題名の意味も理解できたような気がしてきます。

 

入館して券を買い、エスカレーターを上がるとまず

入口で紙を貰いました。その紙には全ての展示物の題名と順路順の番号が書かれていて、一つ一つの作品ごとに

 

アートーーーーーーーーーーーデザイン

 

といったようなマス目が書かれています。

つまり、作品を見た人たちが

「この作品は完全にアートだ。」「これはどちらかといえばデザインに近いかなあ。」

といった具合に各々一種の評価をするというわけです。

 

ここで紙を無視して先に進む人も多いのですが、僕は参加してみることにしました。

どんまいQちゃん

 

 

あまり写真は撮れまませんでしたが、最初は美術館に置かれていることに違和感を感じるような

やかんや、椅子が出迎えてくれます。上の写真のようにオブジェみたいな展示も多くあります。

 

（これは利用者が見えるからデザインか。けどビジュアルがかっこいいな。アートとも言えるのかな。）

 

普段は持たない視点で展示品を見ていくことになるので新鮮さを感じながらチェックを付けていきます。

 

田んぼ道と女の子の絵

 

 

これは流石にアートかな、、

けどこれがポスターになっていればデザインともいえるのか。そもそもアートとデザインとはなんなのか。

 

進んでいくうちに訳がわからなくなってきて、アートとデザインの中間にチェックを入れる作品が増えてきました。

 

耳を落とした後のゴッホの複製画

 

 

壁から出て来て壁に吸い込まれる犬

 

 

 

全て見終わった後、帰りのエスカレーターでまた「デザインに恋したアート、アートに嫉妬したデザイン」の垂れ幕が目に入って来ました。

 

ここでもう一度タイトルの意味を考えます。

 

○デザインに恋したアート

ーデザインの中でもアーティスティックなもの、洗練されたものがある。それに触発されてアート作品に落とし込む人も居る。

 

○アートに嫉妬したデザイン

ーデザインに近い大衆的なアート作品や、鑑賞者へ働きかけるメッセージに明らかな意図が見える作品はデザインとの境界があいまいなのに、アートというだけでより崇高なものに聞こえる。どんなに優れたデザインを制作してもアートとは呼ばれない。

 

上記のように無理矢理解釈してみました。

思いついたことを書き出してみましたが、結局はアートもデザインも言葉でしかないので、その境界は鑑賞者自身が決めてくれということだったのではないかと思います。

 

アートとして生み出されるデザイン。デザインを前提としたアート。鑑賞者・使用者にとって意味が変わってくるもの。

作品について変わった角度からアプローチする視点を与えてくれるような、非常に興味深い展覧会でした。