インドネシアのお客様から学んだこと、そしてディンクの形

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インドネシアのお客様から学んだこと、そしてディンクの形

スタッフブログ

2024/02/25 インドネシアのお客様から学んだこと、そしてディンクの形

社長の礒部です。

先日、インドネシアからお客様が来てくださいました。

 

現在、JETROのハンズオン支援を受けて、インドネシアでの排水処理システム販売を目指して、準備を進めています。

その事業展開の中で、現地の協力会社になってくれそうな会社の社長さんが、当社の見学と、納入先の実際の設備を見学するために、日本へ来てくださいました。

まずは当社のラボを見学し、必要な試験機の確認と今後の実験の進め方についての打合せを行いました。

今回、試験機を見学に来られたのには明確な目的があります。

実は昨年、私がインドネシアに行った時に、日系の食品工場を紹介していただき、そこの排水処理の改善提案をさせていただいたところ興味を持っていただいたため、その設計を進めるにあたって実験が必要になりました。

当初は日本に排水を持ち込んで実験する方向で考えていたのですが、コスト的にも、法律的にも、現地で実験する方が双方にとってメリットが出ることが打合せで発覚したため、インドネシアの協力会社で実験機を設置し、現地で実験をしてもらうことに話がまとまりました。

そのため、実験装置をこちらで準備し、インドネシアに持ち帰ってもらうことになっていました。

 

またNDAも締結させていただきました。

NDAとは・・・

NDA(Non-Disclosure Agreement)は、「秘密保持契約」とも呼ばれ、二者間で情報の秘密を保護するための法的な契約です。

NDAを結ぶことで、情報の提供者は提供した情報が第三者に漏れないように保護され、受取人はその情報を機密として扱う義務を負います。

一般的に、ビジネス取引、技術開発、知的財産などの分野で使用されます。

 

要するに、商談の内容や、技術提供した際の技術の内容など、勝手に第三者に漏らさないよ、という約束事です。

日本国内でお仕事をする中で、この契約の存在をあまり気にしていませんでしたが、もしかすると私たちがこれからお仕事をする中で、非常に大切な契約なのかもしれない、と思いました。

実は以前、失注した排水処理の設計図面がコンペティターに提供されていて、その設計図により、コンペティターが受注したという案件があります。

企業モラルとしてどうなのか?

お客様のニーズを拾い上げ、それを時間をかけて形にしたものを簡単に別の会社に渡すなんてどういうことだ?

と憤ったこともありますが、完全ではないにしろ、このNDAを締結することで、歯止めをかけることができるのではないか、と思いました。

インドネシアの会社では、商談が進む前にまずNDAを締結します。

日系の食品製造会社とも、具体的な話をする前にNDAを締結させてもらいました。

その締結の前には、BODやSSなど、排水の実際の数値すら見せていただくことはできません。

排水の日量や、処理槽のサイズなども簡単には教えてもらえませんでした。

(現場で槽のサイズを計測するのは勝手ですけどね、とは言われました)

お客様にとっても、私たちが知り得た情報を外部に流出することは困るでしょうし、私たちにとっても、自分たちが提案する内容に含まれるアイディアや技術的なノウハウなどが漏れてしまうのを防げるので、双方にとって必要なステップなのだと思いました。

 

私たちのような小さな会社は、自社に蓄えたノウハウが、他社と差別化するための大きな要素の一つです。

これが際限なく外部へ洩れてしまうと、会社の力が落ちていきます。

自社の情報に関しては、ブランディングという広報活動と、ノウハウの流出防止、両サイドからの強化が必要になると、改めて考えました。

 

会社の利益を守るため、会社の価値を高めるため、やるべきことは山積みです。

大きな会社だと専門の部署があり、法律や規定についてはその部署で社内、あるいは社外の専門家とともに策定していけるのですが、なかなかそういう専門の部署を設立し、そのための社員を抱えるまでは至りません。

ディンクもそこを目指して、「総務部」の設立を試みましたが、なかなか思い通りにいかないのが実情です。

 

私の目指す理想の組織としての会社の形は

★会社の戦略を練る役員会

があって、役員会で決まった戦略に対して

☆法律的な裏付けや必要な資源(ヒト、モノ、カネ)の調達準備をするのが総務部

☆戦略に基づいて、販売戦略を立てて商品の販売をしたり、顧客のニーズを収集するのが営業部

☆戦略に基づいて、新商品の企画開発を進めるのが企画部

☆営業部が受注してきた仕事に対して、現場で作業するのは設備部

☆営業部が受注してきた仕事に対して、設備を設計するのは設計部

☆営業部が営業活動をする中で必要な情報を提供したり、企画部が開発するために必要な情報を提供するのが技術部

☆営業部の受注してきた消耗品の製造や、企画部が開発した商品の試作、製造工程の決定をするのが製造部

さらに欲を言えば、それぞれの部門が単独で行動するのではなく、常に連携が取れている状況になっていてほしいと思います。

設計部が設計するとは言っても、お客様からのニーズを拾ってくるのは営業ですし、排水処理のデータを実験で確認するのは技術部になります。

そうなると、設計会議が必要になるでしょうし、その時には営業部担当者も技術部担当者も必要になるはずですし、実際に作業する側の人間として設備部の人間も必要になると思います。

企画室が企画開発を進める上でも、営業部からの情報が必要不可欠でしょうし、開発する商品によっては設備部の意見や技術部の意見も必要になるでしょう。

 

これをディンクに当てはめて考えた時に、社長である私が果たしている役割の所属部門は

役員会、総務部、営業部、企画部、設備部、設計部、技術部

です。

社員を考えた時にも、やはり3つ、4つの部門の仕事をしている社員が、何人かいます。

理想の組織を追い求めてきましたが、理想の組織と現状を考えた時に、目指す方向を変える必要があるかもしれない、と考えています。

まずはこの組織を作ろうと思うと、今の人数では全く足りません。またそれだけの人数を抱えるだけの売上、利益も足りないです。

機能的な面から考えると、会社にとってはいくつかの部門を掛け持ちできる社員は非常に重要な社員になってきますし、複数部門に渡って知識や権限をもった社員が一人いるだけで、会議の人数の削減と意思決定のスピードが上がります。

 

こんなことを考えているうちに、ふとこれからの人事のことをこんな風に考えました。

組織を、部門ベースではなく、人ベースで考えるのはどうなのだろうか。

一つの部門に縛り付ける必要はなくて、仕事の範囲を限定する必要はなくて、可能性を膨らませる人事制度にできないだろうか。

逆に、自分の仕事の範囲を限定したい人はその働き方で、その限定した範囲の中でレベルアップすることを目指せないだろうか。

 

人に仕事が付く状況を今まで否定して、どうにか役割に仕事を付けようとしてきましたが、結局はその域にはたどり着きませんし、役割もたくさんありすぎて兼務ばかりになってしまいます。

それならばいっそ、人に仕事を付けてしまって、その役割に応じて人事評価ができるように、あるいは情報共有できるように、今の社員数で仕事を分け合えるように持って行く方がいいのかもしれないと考えています。

 

ブログの入り口はインドネシアからのお客さまでしたが、結局最後は会社の在り方の話になってしまいました。

31期ももうすぐ折り返し地点。

後半戦も引き続き、頑張ります。

 

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